【ネタバレ】バージョン4完結に想う(不滅の詩)。
こんにちは。
こぶたけんしです。
前回の記事の最後に、4.5をクリアして胸が熱くなったのでストーリーの感想なんかも書いてみたい的な、旅芸人ばかりのこのブログにおいてそんな適当なことを言っていたのですが、本当に書いちゃいました。かなり個人的ですし、もちろんネタバレ満載でお届けしますので、ここから先は4.5のストーリーをクリアした人だけが進んでください。
バージョン4のストーリーが完結して、本当に思うことがたくさんあります。そりゃあもう、いっそ飲みに行って一晩中語りましょうよってくらいたくさんあるのですが、ストーリーの解説とか考察とか、そんな難しいことはそういうのが得意な方たちにお任せして、ぼくは2人の登場人物に絞って語りたいと思います。
まず、ひとり目。
<クオード(グルヤンラシュ)>
クオードは自分が生きている時代から2000年後の未来のドルワームに時渡りしてしまい、そこで自分の故郷エテーネ王国が滅亡したことを知ります。
そして、国を救いたい一心で、数々の罪を犯しながらも帰還するためにエテーネルキューブを開発していたわけです。
クオードはグルヤンラシュと名乗り、ウルベアの皇帝を暗殺し、その罪をビャン・ダオになすりつけ、ウルタ皇女を騙し、ウルベア地下帝国とガテリア皇国を破滅へと導いた・・・と、罪だけを並べれば、なんかもうよくわかんないくらいのワルですよね。
ーー何故、そこまでして帰りたかったのか?
たった一つ、シンプルな答えでした。
エテーネ王国を救う。
ただこれだけのため。
しかし・・・結果、彼は命を落とすことになります。
正直ぼくは4.3の時点でクオードが大嫌いでしたが、4.5をクリアし、少しだけ印象はかわりました。己の国を救うためなら何をしても構わない。殺人も厭わない覚悟。クオードの行動が良しとは微塵も思いませんが、今の世にクオードのように「国のために命をかけられる人」なんているでしょうか。いや、いない。そう考えると、なかなかどうしてあっぱれな男ではないかと思うのです。歪んだ国家愛だとは思いますが。
クオードよ、安らかに・・・
☆
次はこのかた。
<プクラス>
彼は主人公から見て1000年後の未来人です。
彼はパドレとキュルルの時渡りビーム(?)に引き込まれて6000年も過去に時渡りしてしまいます。意図しない時渡りという点で、クオードと似たような境遇なわけですが、プクラスは闇落ちしたりしませんでした。むしろ、憧れのアストルティアの大地を踏みしめられたと・・・ちょっとアホの子なのかなと思っちゃうレベルの前向きさです(笑)
もう帰れないと悟ったプクラスが取った行動は・・・
6000年後の主人公のためにタブレットを残すことでした。
しかも、エピステーサの地下に、6000年後に訪れるであろう主人公のために転移装置まで作ってくれていました。
6000年も過去に飛ばされながらも、絶望することなく、自分が置かれた場所で「成すべきことを成す」。素直にスゲェと思うし、かくありたいものです。
☆
4.3のクオード(グルヤンラシュ)と、4.4のプクラス、似たような境遇ですが、行動はなんとも対照的ではありませんか。一方は闇落ちし、一方は未来のために行動をしました。
しかし、バージョン4が完結し、ちょっと考えがあらたまりました。
意図しない時渡りをした二人は、似たような境遇であり、同じ境遇ではないんですよね。プクラスは過去に飛ばされたから、飛ばされた過去で「未来のためにできること」を成した。一方クオードは、未来に飛ばされたため、「過去に帰って国を救いたい」と願った。
自分の国がスデに滅んでいる未来に飛ばされた絶望が、クオードをグルヤンラシュに変えてしまった。もしかしたら立場が違えばプクラスだって闇落ちした可能性もあるよなぁ・・・なんてことを思いながら、4.5を味わいました。
クオードは確かに罪をおかしました。
でも、クオードがいなかったらエテーネ王国は確実に滅んでいました。もう、何が正しいとか正しくないとか、ぼくらのちっぽけな常識では裁けない話だよなぁ・・・
二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。
一人は泥を見た。一人は星を見た。
(フレデリック・ラングブリッジ「不滅の詩」)
ぼくも、赦そう。